ホストクラブ業界にとってここ新宿・歌舞伎町は店舗数も群を抜く日本最大のマーケットであり、最激戦区である。
本案件をプランニングするにあたり、ホストクラブ業界の店舗内装(空間)を見渡してみると、私の個人的見解としてはどれも同じ様な店舗(空間)に見えるものが多いと感じた。これは当然ながらキャラクター(ホスト)重視の業態であるが故に店舗空間に対するクオリティーはあまり追求されてこなかったからであろう。
そういったことからもまずオーナー様と話し合ったことは、ホストクラブの持つ概念(踏襲してきたイメージ)を覆す斬新かつインパクトのあるエンターテイメント空間を目指すということでした。
コンセプトはスタイリッシュ&シャープネス
店舗にとって最大の資産である男(ホスト)をいかにかっこよく見せるか、躍動させるかを念頭に置き、空間構成を行いました。
【空間演出の柱としたもの】
- 非現実的な空間へ誘う光のアプローチ
- 店内中央を貫通する“キャットウォーク”
- 近未来感を醸し出すデジタルドットによる光演出
- 和紙とブラックシャンデリアで構成された異空間VIPルーム
この物件の特徴としてまず挙げられるのが、飲食店が多数入居するビルの地下1階であるということです。よって(1)店内に入り込んだ(扉を開けた)瞬間のインパクトおよび(2)その後の空間の広がりということを意識しました。
まずレセプションカウンターまでのアプローチを光り輝くトンネルに見立てることで非現実性を求めて来店する顧客に対し雰囲気を醸成しています。そしてこの物件のもう1つの特徴は長方形の形をした細長い空間であることです。店内は全体的にメタリック(グレー)およびブラックを多用したシックかつクールな空間に仕上げましたが、ホワイトのタイルで店内中央を貫通させた廊下“キャットウォーク”を設けることで浮き上がり感と奥行き感を出すことができました。この“キャットウォーク”はホストの単なる業務動線ではな く、個を演じる動線へと進化させる意図も包含されています。このキャットウォークと平行して走る壁はデジタルドットが連続した光壁となっており、大画面で展開される光演出は天井をスケルトンにすることで得られた4m超の天井高と相俟って、空間にダイナミズムをもたらすとともに、近未来的な雰囲気がより非現実性を強調しています。また、店内最奥部に設けられたVIPルームは和紙というそれまでとはまったく違ったマテリアルを採用することで明確な差異性を出すとともに、ブラックシャンデリアとの組み合わせにより、顧客の虚栄心を満たす官能的かつアヴァンギャルドな空間に仕上がりました。
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